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停電した夜にラジオで情報を受け取るイメージ

停電でラジオは本当に役立つ?
スマホが使えない時の備え方

防災 / 停電・ラジオ

夜、急に電気が消える。スマホの画面を点けて、まず確認したくなるのは「これはうちだけ? それとも地域全体?」「いつ復旧するの?」という情報ではないでしょうか。

ところが停電が長引くと、その情報を取るためのスマホ自体が、だんだん心もとなくなってきます。この記事では、「停電のときにラジオは本当に役立つのか」を、煽らず事実ベースで整理します。ラジオは「スマホの代わり」ではなく、スマホが弱る場面を補う、もう一つの情報手段として考えると腑に落ちます。

SECTION 01

まず知っておきたい:停電時、スマホだけだと情報が細る理由

How-toの前に、なぜラジオという選択肢が出てくるのかを先に押さえておきます。ここを飛ばすと「結局スマホでよくない?」で終わってしまうからです。停電時にスマホの情報が細る理由は、大きく3つあります。

① 携帯の基地局にも電源の限界がある

スマホが繋がるのは、各地に立っている携帯基地局が電波を出しているからです。この基地局は停電すると予備バッテリーで動きますが、一般的な基地局のバッテリーは3時間程度が一つの目安とされています(公式資料・各社の公表をもとに整理)。

通常の停電なら、通信各社が現地へ駆けつけて電源を補給するため、停波(電波が止まること)はある程度避けられます。ただし大きな災害で広い範囲が同時に停電し、駆けつけが難しくなると、この3時間という目安が効いてきます。実際、過去の大震災では、止まった基地局の多くが「設備の損壊」ではなく「商用電源の停止」、つまり停電そのものが原因だったと報告されています。

※市町村役場など重要拠点をカバーする基地局は、24時間以上もつよう強化が進んでいます。「停電したら即・全スマホが圏外」という話ではありません。あくまで「場所と状況によっては、数時間で繋がりにくくなりうる」という現実的な目安として捉えてください。

② 通信の集中(輻輳)で繋がりにくくなる

災害時は、同じ地域の大勢が一斉に安否確認をしようとします。すると回線が混み合い、基地局が生きていても繋がりにくくなります。これは過去の大震災でも直後に起きた現象です。電気が生きていても情報が取りにくくなる、という点でラジオとは事情が異なります。

③ 自分のスマホの充電も有限

情報収集・連絡・ライト代わりと、停電時のスマホは消耗が早くなります。モバイルバッテリーがあっても、それも有限です。「情報を取るたびにバッテリーが減る」スマホに対し、ラジオは乾電池や手回しで独立して動けます。

この3つが重なる場面で、「電源と通信網に依存せず、地域の情報を一方的に受け取れる」ラジオの役割が出てきます。スマホを否定するのではなく、スマホが弱る局面を埋める二の矢、という位置づけです。

SECTION 02

停電のとき、ラジオで実際に何ができるのか

ラジオでできることは、派手ではありませんが停電時には地味に効きます。

  • 地域の災害情報・生活情報を受け取れる:停電・断水の復旧見込み、給水所の場所、開設された避難所など、地元局(特にコミュニティFM)は地域に密着した情報を流します。
  • 通信網に依存しない:ラジオは放送局から一方的に電波を受け取る仕組みなので、通信の集中(輻輳)の影響を受けません。スマホが繋がらない時間帯でも情報が途切れにくいのが強みです。
  • 消費電力が小さい:乾電池や手回し充電で長く動くため、「情報を取り続ける」用途に向いています。

逆に、ラジオは双方向ではないので「こちらから助けを求める」「家族と連絡を取る」用途には使えません。ここはスマホの役割です。だからこそ、片方に寄せず両方を備えておく、という考え方になります。

SECTION 03

停電に備えるラジオ、選ぶときの3つのポイント

詳しい機種ごとの比較は防災ラジオの比較記事にまとめていますが、停電という文脈では、最低限ここだけ押さえておくと選びやすくなります。

ポイント1:電源の取り方(手回し・乾電池・ソーラー・充電池)

停電時に使うので、コンセント以外でどう動かせるかが核心です。乾電池式は電池さえあれば確実。手回しは電池切れの最後の保険になります。複数の方式に対応したモデルだと、状況に左右されにくくなります。乾電池式を選ぶなら、対応する電池も一緒に備えておくと安心です。

ポイント2:ワイドFM(FM補完放送)に対応しているか

これは見落としやすい割に大事なポイントです。ワイドFMとは、総務省の説明によると、難聴対策・災害対策のためにAM放送の番組をFMの新しい周波数(90.0MHz〜94.9MHz)で流す仕組みです。FMの電波は高い場所から送れて雑音にも強いため、災害時に比較的影響を受けにくいとされています。

注意点は、この帯域に対応していないラジオだと、ワイドFMの局を受信できないことです。手持ちのラジオの周波数表示が90MHz未満までしかない場合は対応していない可能性があります。さらに近年はAM放送をFMへ転換する動き(一部地域で実証実験が進行中)もあるため、これから備えるならワイドFM対応を一つの基準にしておくと長く使えます

ポイント3:ライト・モバイル給電などの+α機能

停電時はラジオと同時に「明かり」「スマホの最低限の充電」も欲しくなります。ライト付き・USB給電付きの多機能モデルは、停電という場面ではひとつ持っておくと心強い選択肢です。ただし機能が増えるほど価格や本体サイズも上がるので、「ラジオ単機能で軽く」か「多機能でこれ一台」かは好みが分かれます。

玄関の防災袋にラジオを一つ入れておくだけで、停電した夜に「とりあえずこれをつければ、状況はわかる」と思える。その安心感が、ラジオを備える一番の価値かもしれません。

停電・災害に向くラジオを機能別に比較する
防災ラジオの比較記事を見る

よくある質問

Q.

スマホのラジオアプリ(radikoなど)があれば、ラジオ本体はいらないのでは?

A.

平常時はその通りです。ただしradikoなどはインターネット通信を使うため、停電で通信が細ったり、スマホの充電が尽きたりすると使えなくなります。「通信に依存しない」という肝心の部分が、停電時には満たせません。電波を直接受け取るラジオ本体は、この弱点を補う備えとして意味があります。

Q.

普段ラジオを聞かないのに、災害用だけに買う意味はある?

A.

停電・通信障害という限られた場面のための「保険」として考えると納得しやすいと思います。年に一度、電池の残量と受信を確認しておけば、普段は防災袋に入れたままで構いません。使わずに済めばそれが一番、という性質のものです。
※長期間しまっておくなら、電池は本体に入れっぱなしにせず抜いて一緒に袋へ入れておくのがおすすめです。入れたまま放置すると液漏れで本体が壊れ、いざ使うときに動かない——というのは防災ラジオで非常に多い失敗です。

Q.

どのくらいの予算を見ておけばいい?

A.

乾電池式の小型モデルなら手頃な価格帯から、手回し・ライト・USB給電などを備えた多機能モデルはもう少し上、という幅があります。「まず最低限の一台」か「これ一台でまかなう」かで変わるので、比較記事で機能と価格のバランスを見て選ぶのがおすすめです。(価格は変動するため、最新は各販売ページでご確認ください)

まとめ

  • 停電が長引くと、基地局のバッテリーの限界・通信の集中・自分の充電という3つの理由でスマホからの情報が細っていく
  • ラジオは「スマホの代わり」ではなく、電源と通信網に依存せず地域の情報を受け取れる「二の矢」として機能する
  • 選ぶ際は、乾電池・手回しなどコンセント不要の電源方式と、ワイドFM対応が最低限のチェックポイント

完璧に備えようとしなくて大丈夫です。まずは乾電池式かワイドFM対応の一台を、防災袋に一つ入れておく。それだけで、停電した夜の心細さは確実に和らぎます。

どんなラジオが自分の備えに合うか、機能と価格で見比べたい方は、防災ラジオの比較記事を覗いてみてください。

防災ラジオの比較記事
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※本記事は公式資料および各種公表情報をもとに作成しています。基地局のバッテリー持続時間などの数値は状況・機種により異なります。最新情報は各通信会社・放送局の公表をご確認ください。